桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「一票の格差」

2015年06月04日 (木) 19:10
 
 中国の旅客船の事故でお亡くなりになった皆様に衷心より哀悼の誠を捧げます。行方不明者の方々も数多くいらっしゃいます。一日も早く身元が確認できること、そしてこのような悲劇が繰り返されることがないよう、中国政府には再発防止策を早急にとって頂きたいと思います。
 
 
 さて、参議院の選挙制度改革でもめている。最高裁から一票の格差で違憲状態と指摘され、それに従って改革を進めているのだが、自民党内の考え方では、一票の格差はほとんど是正されないからである。
 
 最高裁から一票の格差を指摘されている。私は衆議院に関しては納得しているのだが、参議院も同じように、人口割りの代表者を出すようにしなければならないのか、正直言って疑問を感じている。何故ならば、人口割りにすれば、衆参ともに都市部の代表者だけが増えるからである。
 
 民意の反映の方法は二つある。一つは人口割り、もう一つは地域代表という考え方である。現在の最高裁の判断は、衆議院も参議院も人口割りでの格差を問題視している。しかし、衆参とも同じような人口割りでの代表者を選ぶのであれば、二院制の意味はない。
 
 私は衆議院は人口割り、そして参議院は地域代表性という二つの民意の反映方法を取ることによって、様々な意見を反映できると考えている。一票の格差だけで考えると、人口の多い都市部の代表者だけになり、地方の意見が反映されなくなるからである。
 
 私の主張に対して、賛同者はいるのだが、最後は違憲の判断は最高裁が下すのだから、最高裁に従わなければならないと言われる。最高裁は憲法の番人だから、その主張は正しいと思う。
 
 しかし、集団的自衛権に関しては、これまで憲法に照らし合わせて、集団的自衛権を行使できないと言われていたのに、安倍総理の勝手な判断で、これを根底から覆した。本来は、このようの暴挙は許されないが、一方で、選挙制度に関しても、国会としての意思を示しても良いのではないかとも思える。
 
 繰り返しになるが、二院制ならば、衆議院と参議院で違う意味合いを持たせるべきである。アメリカは、上院は地域代表性で、人口に関係なく各州定数2となっている。下院は人口割りである。選挙制度に関しては、衆議院と参議院、全体を勘案して議論するべきであると考えている。

                                         参議院議員・医師 桜井充
 
 
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 今月から道路交通法が改正され、自転車の運転についての取締りが厳しくなりました。自転車は車道を走らなければなりませんし、傘を差しながらの運転も禁止です。
 ただ、気になったのですが、2013年の科学警察研究所による研究では、「自転車運転者の損傷程度を比較すると、自転車運転者にとって死者数の多い車道走行が危険」と結論づけ、「自転車利用者が安心して車道を走行できる環境を創出していかなくてはならない」と指摘されていました。自転車が安全に車道を走れるように整備されていない状況で、単純に車道を走れというのは、さらなる事故を引き起こさないかが不安です。特に、子どもを後ろに乗せて歩道を走るのは原則アウトであることは大いに心配です。
 2006年にストックホルム市が行った自転車に関する調査結果は「自転車が社会や経済にもたらす効果は、インフラ整備に投じられた費用の7倍から9倍」であり、市民の健康促進にも大きく貢献したとのことです。日本社会で自転車をどう位置づけるのかの議論をしっかりする必要があるのではないでしょうか。
さて、来週は地元秘書の佐々木奈津江さんの登場です。お楽しみに!(小林太一)