桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「日本が危ない」

2015年06月25日 (木) 19:17
◇日本が危ない
 
 ある生命保険会社が結婚に関する意識調査を行った。その中で、衝撃的だったことは、独身の人たちに将来結婚したいかを尋ねたところ、「結婚をしたくない」が15%、「あまり結婚をしたくない」が9%で、結婚したくないと考えている人が約4分の1を占めていることだった。ちなみに「結婚したい」と考えている人は26.5%、「できれば結婚したい」は19.1%で、「どちらとも言えない」という人は30.3%だった。
 
 全体の回答者数は5027名で、結婚に否定的な1617名にその理由を尋ねたところ、男女とも一番多かった理由は、「一人でいるのが好き」であり、女性の29.8%、男性は28.5%であった。確かに一人でいるとお気軽だが、好きな人ができたら一緒にいたいと思うのが普通のような気がするが、最近の若い人は違っているようだ。
 
 その他の理由だが、「結婚にプラスのイメージが持てない」であり、女性は29%で、男性は17.1%だった。もう一つ多かったのが「何となく」であり、女性の19.6%、男性は22.5%だった。
 
 さて、わが国にとって、一番大きな課題は少子化である。我が国の国内総生産GDPは1997年をピークに減少傾向にあるが、その理由は、GDPの60%を占める個人消費が1997年から横ばいだからである。そして、その個人消費が伸びない最大の理由が、いわゆる生産年齢人口(15歳から64歳まで)が、1995年をピークに、減ってきているからである。
 
 我が国では、フランスなどと違って、結婚して出産するというスタイルが一般的で、つまり、出産する前提は結婚することなのである。このことを踏まえれば、結婚したくないという人たちが増えていることは少子化に拍車がかかることであり、わが国の危機的状況を表しているのだと思う。
 
 対策の第一歩として、結婚に対して「どちらとも言えない」という人たちを結婚したいと思えるような社会を作ることが大切であり、また、約20%の人が「何となく」結婚したくないという理由だったので、このことを解明することが、対策を作るうえで重要なのだと思う。
 
 安倍総理にお願いしたい事は、集団的自衛権を行使することに力を入れるのでは無く、その前に、少子化対策に力を入れて欲しいということである。少子化が日本の衰退につながっていくという危機感を国民の皆さんと共有し、早急に対策を作っていきたいと考えている。
 
 
                                         参議院議員・医師 桜井充
 
 
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 今月22日に発表された少子化白書における「結婚・家族形成に関する意識調査報告書」が大きな話題になっています。テレビなどでは、若者の4割が恋人は欲しくないと回答しているという点が強調されていますが、よく見てみると、男性の年収が400万円未満の場合に「恋人が欲しい」と回答したのは約60%だったのに対し、年収400万円以上だと約80%だったのは注目すべき点です。出会いの場に行くにもお金が必要なわけですから「交際への不安」について「そもそも出会いの場がない」という回答が最も多かったのはうなづけます。また、妊娠・出産に積極的になる要素として最も大きかったのは「将来の教育費に対する補助」(68.6%)であり、続く回答も経済的要因が上位を占めています。
 労働者の賃金カーブはどんどん緩やかになっているのにも関わらず、様々な負担は増え、出産・教育コストも高水準、若者を軽視する政策ばかりの現状で、「夢を持て」と言われても「時代が違う」と思ってしまう若者の気持ちはとてもよく理解できます。
 けれども、某マンガでの名言にもありますが「諦めたらゲーム終了」です。なんとかせねば!(小林太一)