桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「アベノミクスは失敗した」

2016年06月02日 (木) 18:45
 予想通り消費税の引き上げの再延期が決まった。総理は色々な理由を述べておられるが、アベノミクスの失敗であることは、誰の目にも明らかである。確かに、円安に誘導され株価は上昇した。一方、円安により輸入食材を中心に、生活必需品の値段は上昇した。
 
 デフレからの脱却を目指す総理の方針通り、物価は上がったが、物価上昇分ほど賃金は上がっていないので、個人消費は落ち込んだままである。だから景気は悪いし、経済成長は鈍化したままなのである。
 
 アベノミクスの問題はどこにあるのだろうか?答えは簡単で、「物価が上昇しないから景気が良くならない」という総理の間違った経済理論にある。物価は何かの「原因」になるものではなく、物価は需要と供給で決まる「結果」なのである。このことからわかるように、物価だけ上げれば経済が良くなるという考え方が間違っている。
 
 物価が上昇しない理由は、消費が落ち込んでいるからである。つまり、需要が減っていることであり、皆さんも買いたいものも我慢して、出費を減らそうとしているはずであり、だから景気が良くならない。
 
 それでは、消費が落ち込んでいる理由はどこにあるのだろうか?それは、賃金が下がっていることと、医療・介護・年金を含む将来不安があるからである。経済を再生させるためには、所得を増やし、将来不安を払しょくすることが重要である。
 
 所得を増やすためには、企業の内部留保を活用すること、そして株主への配当を減らす必要がある。内部留保という形で、大企業がお金を抱えるのではなく、中小企業に還元するべきである。そうすれば中小企業で働いているサラリーマンの賃金は引き上げられる。
 
 小泉改革以前と比較すると、日本は労働分配率が低くなり、それに反比例して、株主の配当が増えている。日本の筆頭株主は外国人であり、その外国人はタックスヘブンを使って納税を逃れている。これでは、お金持ちにお金が集まるだけで、消費が増えないのは当然のことである。
 
 アベノミクスは副作用が強い政策である。安倍総理がこの道しかないと言って、この政策を続ける限り、私たちの暮らしが良くなることはない。この参議院選挙で野党が勝利を収め、安倍政権を退陣に追い込むことが重要である。
 
 私も、全力で頑張ってまいります。
 
参議院議員・医師 桜井充
 
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 昨日、総理が記者会見を行いました。こじつけとしか思えない内容の長々とした演説で文字数にすると4660字。しかも、一人目の記者の質問には、2802字も要する時間稼ぎとしか思えない説明(演説?)をしていました。結局、時間の関係で4名ほどしか質問ができず、記者会見というよりは、自民党総裁として一方的に演説を行ったものでした。
 ところで、総理がサミットにおいて「リーマンショック前と似た状況」と認識しているという発言が大きな話題になりました。海外メディアからは「無根拠な発言」とバッサリ切り捨てられたこの発言も、日本のマスコミからあまり批判が聞かれないのは残念なことです。リーマンショック前に似た状況下であるのなら、何故GPIFに株を買い進めさせたのでしょうか。
 リーマンショックの際はサブプライムローンや様々なデリバティブがバブルを作り、最終的に崩壊しました。現在の市場で最たるバブルは何かといえば日本国債だと思います。これが崩壊すれば、それこそリーマンショック級の影響が出るかもしれませんが、それを作り出しているのは現政権の政策です。(小林太一)