桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「子供たちの権利を守りたい」

2019年11月15日 (金) 19:00
【桜井充メールマガジン1129号】
 
長らく問題になっていた大学入学共通テストだが、一次選抜から国語の筆記を外す方向で検討に入ったと報じられている。とても良かったと思う。この筆記試験の採点は民間企業が行うことになっているが、ここにも色々と問題がある。一つの方法として、受験先の大学とも答案を共有し、採点できるようにすれば、不公平感の払拭に繋がるのではないだろうか。
 
合否のボーダーラインには多くの受験生がいて、たった1点の差が非常に大きい。大学進学がその後の就職と強く結びついている日本において、受験の合否は一生を左右することでもあり、慎重に対応しなければならない。受験に挑もうとする若者を、社会実験の犠牲者にしてはいけない。そのために、私も努力していきたいと思う。
 
さて、ここしばらく取り組んでいる、離婚家庭のお子さんの話を少ししたいと思う。離婚した家庭の子どもには、別れた親と会える面会交流の権利と、養育費を受け取る権利がある。しかし、実際にこの権利が保障されているわけではない。養育費を受け取れず、貧困に陥り、大学や専門学校への進学を諦めなければならない子どもたちが多くいる。
 
大学等に進学できても、奨学金を借り入れなければならず、社会に出た時には借金を背負わせられることになる。まさしく、負の連鎖である。因みに、奨学金の借り入れ率は、二人親世帯の子どもたちが42%程であるのに対し、ひとり親世帯の子どもたちは86%にも達する。倍ぐらいの子どもたちが、奨学金という名の借金を背負わざるをえない状況に陥っている。
 
この問題を解決するために、法律を作る必要があるのではないかと考えている。これまで法務委員会で再三再四訴えてきたが、法務省が改善に向けて動いているように見えないためだ。子どものための政策として、法務省内に児童虐待防止のプロジェクトチームを作ったようだが、その問題は厚生労働省においてすでに取り組みが進んでおり、わざわざ法務省が乗り出していく必要があるとは考えにくい。
 
厚労省には児童虐待の現場に携わる児童相談所があるが、法務省で対策チームを作ったとして、現場で動ける人員がいるのだろうか。もちろん、児童虐待は政府を挙げて取り組むべき課題だが、むやみに会議体ばかりを増やしても、現場を混乱させ、かえって負担をかけてしまうおそれがある。
 
むしろ、法務省が率先して取り組むべきは、離婚家庭の子どもの権利保障ではないだろうか。親御さんにも離婚に至る個々の事情があることを踏まえたうえで、離婚によって子どもたちが犠牲になることがないように、法整備も視野に入れ、対策を講じていきたいと考えている。
 
 
参議院議員・医師 桜井 充