桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「アメリカとの差」

2022年11月10日 (木) 18:42
 為替相場は1ドル150円ぐらいで推移している。この円安で輸入食材や資材、石油などのエネルギーをはじめとして物の値段が上がっているが、価格転嫁はなかなかできていない。

 原材料費の値上がり分の何割かしか価格転嫁できていないことで、物価の上昇が賃上げに繋がっていない。つまり物価は上がるが、給料は上がらず、企業の利益率は下がるという構図になっている。

 その点、アメリカは日本とは全く状況が異なる。私の知人がロスで飲食店を経営しているのだが、時給は18ドルだそうだ。1ドル150円で計算すると、時給2700円になる。これだけの賃金を支払うためには、その分価格転嫁しなければ、経営することはできない。だから、アメリカの物価上昇率は8%程度なのである。

 日本の物価上昇率が低いのは、原材料費の上昇分を十分に価格転嫁できていないことだけではなく、物価に見合うだけの人件費の上昇ができていないことも原因である。その結果、電力料金などの上昇を抑えるために、税金を投入することになっている。

 この問題を解決するためには、賃上げと、それを可能にするだけの物の価格設定が必要になる。物の値段が上がれば賃金が上がる、賃金が上がるから物価上昇に対応できるそんな当たり前の環境を作っていくべきではないだろうか。