桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「社会保障に対する新しい考え」

2011年04月28日 (木) 16:42

 戦後初となる休日の審議が行われ、第一次補正予算が成立する方向で調整が進んでいる。私は、被災地選出の議員でもあり、一日も早い補正予算の成立を願っている。
 さて、大震災で、議論が中断されていた、税と社会保障の一体改革の議論が再開された。消費税を社会保障の財源にといった、従来の政策で結論を出さないでいただきたいと思っている。
 そして、次に行われる議論は、社会保障の給付の抑制であり、医療の効率化を図るという事である。私が医師だから申し上げるわけではないが、日本の医療費は先進国の中では最低水準であり、給付を更に抑制しようと思っても限界がある。
 そこで、私は社会保障の一体給付を考えていくべきだと考えている。これまでは、医療、介護、年金と別々に給付されていたが、必要な人に必要な社会保障を提供できるように、制度を一体化するのである。
 少し具体的に書いてみたいと思う。元気な高齢者の場合、年金が支給されれば、消費に回るが、寝たきりの人であれば、消費にはほとんど回らずに貯蓄されることになる。一方、元気な高齢者は医療や介護を殆ど必要としないが、寝たきりの人には、手厚い医療や介護が必要になる。
 この例から分かるように、元気な高齢者には年金を必要とし、寝たきりの人には、年金よりも、医療や介護を必要としている。要するに、ライフスタイルに合わせて社会保障給付を行えば、より計画的に老後を送れるようになるだけではなく、社会保障費の給付を改善することができる。
 現在の社会保障給付の最大の無駄は、使わない人あるいは使う事の出来ない人にまで年金が給付されていることである。社会保障給付の中で最も支給が多いのは年金である。必要な人に給付しなければならないことは言うまでもないが、必要のない人にまで支給しているから、財政を圧迫しているのである。
 年金の保険料を多く支払っているのだから、多く受け取る権利があると思われるかもしれないが、医療や介護は、保険料を多く支払っているから給付が多くなっているわけではない。必要な人にサービスを提供し、それをみんなで支えているのであり、年金もそれと同様に考えていくべきである。新しい発想を持って社会保障改革を行わなければならないことは言うまでもないことである。私も、この問題に対して、積極的に提言していきたいと考えている。

                 参議院議員・医師 桜井 充
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 先週末は福島県のいわき市に行き、新設されたばかりのボランティアセンターの方々と共に避難所や自宅避難されている被災者の方々からどのような支援のニーズがあるかをヒアリングするボランティアをして参りました。(本来は汚泥や瓦礫除去をする予定だったのですが、雨だったので。)
 実際にお話を伺ってみると、「今は特に問題はない。満足している」と答える方が多い避難所がある一方で、様々な問題を抱えている避難所もあり、様々でした。また、掲示物に関しても様々で、各地の住宅提供に関する情報や公務員社宅を公開していることについても「知らない」と答える声も多く(掲示物を探しても見当たらなかったりもしました)、国の支援施策がしっかりと伝わりきれていない事が非常にもどかしく感じました。自宅避難されている方も同じ状況のようです。現地のボランティアを指揮する方のお話では、避難所の状況が場所により全く違うのは、避難所の統率者によりけりだと聞きましたが、改めてフォローする支援策を考えなければ!と思いました。
 ところで、地元のボランティアセンターを立ち上げて指揮されている方の一人は私の同世代で原発付近に住まわれていた被災者の方でした。その方が、「緊急支援から、復旧、復興へと確実にステップを踏んでいます。その一つ一つを押し進めるのは、“行政”や“民間”なんて枠ではなくて結局は人の力だと思います。」とおっしゃっていたのが印象的でした。これを機に、連携しながら息の長い支援を続けていきたいと思いました。(小林太一)