桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「強いほど燃えてくる」

2011年12月15日 (木) 18:44
  医療の診療報酬に関して、財務省と激論を戦わせている。財政難を理由に、診療報酬の減額を求める財務省、そしてこれ以上の医療崩壊を食い止めるために、診療報酬の引き上げを求めている私との戦いである。
  財務省は、政策仕分けの結果を踏まえてという枕詞を並べているのだが、このような時には、民主党のマニフェストという言葉は全く出てこない。財務省に有利な時にはマニフェストを持ち出すのだが、不利な時は無視している。
 アメリカの医療費は対GDPで17.4%、日本は介護保険も含めて8.5%程度である。OECDの平均が9.6%であるから、医療費が如何に少ないかがわかる。医療単価も、ニューヨークで盲腸の手術を行うと、1泊2日で200万円から250万円ぐらいするのだが、日本は6泊7日で35万円程度である。
 これだけ少ない医療費で医療を行っているのだから、十分な人員を確保できず、病院勤務者は疲弊している。また、診療報酬が低く、利益を上げられない診療科は閉鎖に追いやられている。例えば、救急や地方の小児科である。さらに言えば、私が診療している心療内科の分野は、あまりの収入の低さに、診療科がほとんどできていない状態にある。
 因みに、私が30分間カウンセリングを行うと、再診療も含めて病院の収入は5000円である。仮に毎日8時間働くと、5000円×16人=8万円が病院の1日の収入である。1ヶ月間で25日働くと
すると、25×8万円=200万円という事になる。ここから看護師さんや事務職員の皆さんの給料を支払い、病院の維持管理費を捻出することになるのだから、カウンセリングを中心に行う診療科は大変である。その結果、患者さんの話を十分に聞くことができず、薬剤療法が中心になり、患者さんに十分満足していただける診療ができなくなってしまうのである。
 診療報酬の引き上げは、医療従事者の所得を増やすためではない。質の高い医療を提供するためには、時間もかかるし、新しい機材も必要になるので、診療報酬の引き上げが必要になるのである。
 もう1点大事な事は、医療や介護の分野が雇用の受け皿になっていることである。この2年間で医療や介護の分野で60万人以上の雇用が増加している。このため失業率を増加させずに済んでいるのであり、医療費を増やすことが社会のお荷物になる時代は終わったのである。
 いずれにせよ、これから財務省との戦いになる。優秀な人たちが集まり組織となって向かってくるのだから簡単な戦ではないが、相手が強くなればなるほど燃えてくる(笑)。久しぶりにアクセル全開である。
                  参議院議員・医師 桜井 充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 次期主力戦闘機の選定において「F35」が導入される方針であるとの報道がありました。おそらく、ステルス性(レーダーに探知されにくい)が評価されたのではないかと思います。個人的には性能とコストはもちろん、なによりも技術面でのブラックボックスが極めて少ないユーロファイターが日本の将来の技術開発を考慮しても良いのではないかと考えていたため、残念ではありましたが、F35がしっかり配備されるよう見守っていきたいと思います。
 ちなみに、日露戦争を舞台としたNHKのドラマ「坂の上の雲」のクライマックスである、日露戦争の勝敗の決め手となった「日本海海戦」の連合艦隊旗艦「三笠」は、実は国産ではなく、「ユーロファイター」と同じ企業が製造したものでした。
 航空機の技術開発は敗戦後、日本企業はしばらく禁止されていたために遅れを取ってしまった分野ですが、いつか自国生産される日が来るのでしょうか。紛争回避に全力を尽くす事は当たり前ですが、長期的な安全保障を考えると、技術開発にもしっかり目を向ける必要があると思います。(小林太一)