桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「精神疾患対策の重要性」

2012年05月10日 (木) 16:05

 昨日、摂食障害の治療を行っている先生方が部屋に来られて、摂食障害の治療センターを作ってほしいという依頼を受けた。今日は、飲酒による問題を解決するための基本法を作るために、超党派の議員で勉強会を行った。
 摂食障害とアルコール依存症とはまったく違う病気に思えるかもしれないが、病理は基本的に同じだと思っている。ここで言う病理とは、二つの病気になる人の考え方であり、実はその考え方は極めて似ているのである。
 その共通項を列挙してみると、自信がない、こうしなければならないとかこうあるべきであるという概念が強すぎること、周囲の評価が気になるというか良い子である見られたいと思っていること、そして白黒をつけたがるあるいは勝ち負けにこだわるという点である。
 このような考え方を変えればこれらの疾患は良くなる、逆に言えば、考え方を変えずに、拒食症の患者さんに無理やり食事を取らせようとしても治る事はないし、アルコール依存症の患者さんからお酒を取り上げても、アルコール依存症は良くならないという事である。
 そこで、これらの疾患に対する精神的支援を行う体制を作る必要があると考えている。勿論、この二つの疾患だけではなく、不登校や引きこもりも同じような病理だと思っているので、このような患者さんを治療するためにも有効であると考えている。
 少子化が進む一方で、精神的な問題を抱えている患者さんは増加している。人材こそが我が国の大きな資源であり、この点から考えても、早急に対策を作っていく必要があると考えている。
                               参議院議員・医師 櫻井充

【秘書のつぶやき】
 櫻井充秘書小林です。
 先日、韓国の大手メーカーであるサムスンが日本の技術者を年収の10倍などの高収入(専属秘書や運転手もつくとか・・)で引き抜きを行っているという記事を読みました。欧米の外資系企業の話はよく聞きましたが、アジア系のグローバル企業も同様であることを改めて考えさせられました。
さて、よく聞くのが「高給に目がくらんで海外に行くとは売国奴だ!」という声です。しかし、企業が終身雇用制度を取らず労働者の一生を保障することができないことや、もし、十分な報酬が与えられていなかったのであればそれは仕方のないことだと思います。日本においても例えば戦国時代では、主君の能力を見限り他の武将の元に走ることは特別な事ではありませんでした。
 労働者が「頑張れば報われる」という環境は当たり前のことだと思うのですが、いろいろ話を聞いていると「それは過去の話で今は厳しい」と答える方々の割合の方が圧倒的に多いように感じます。もちろん、景気が悪いことが最大の理由であることは理解しているのですが、若手社員とそれを一人前に教育する中間管理職、そしてそれを評価する制度がうまく機能していないがために早期に退職する若手社員や十分にスキルが身に付かないこと、人材開発コストの浪費、しいては業績不振につながっているのではないでしょうか。
 最近、某グローバル企業の方と話した際に評価制度についていろいろお話を伺うことがあったのですが、これらがうまくいっているがために社員のモチベーションも高く、好業績を上げることができているとのことでした。人材が最大の資源である我が国だからこそ、優秀な人材を確保するための評価制度をもう一度考えてみなければならないのではないかと思いました。(小林太一)