桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「二度と悲劇を繰り返さないために」

2012年05月03日 (木) 10:24
 GWのさなか、本当に痛ましい事故が起こりました。お亡くなりになられた皆様、そしてご遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。また、負傷された皆様の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
 さて、今回の事故の原因は様々あるとは思いますが、過度な価格競争がもたらした悲劇だと思っています。確かに、所得水準も下がり、消費者が安い物を求めており、それに企業が応えるという事は、市場原理の必然なのかもしれません。しかし、そこには安全という事が手当てされるべきであり、これを犯してまでの価格破壊を消費者は望んでいない事は言うまでもありません。
 本来、このようなことを行政側がきちんとチェックするべきですが、公正取引委員会は、企業は良い物を安く提供することが求められると、国会で答弁しています。本来は、良い物を適正価格でという事が当たり前のことだと思いますが、公正取引委員会の姿勢はまったく違っています。
 行き過ぎた価格競争のために、日本の経済はデフレから未だに脱却できていません。もういい加減、価格競争をやめて、適正価格で売買できる社会を実現するべきです。経営者の皆さんと話をすると、私の考えに賛同する答えが返ってきます。皆さんも過度な価格競争に疲れているのです。
 マスコミでは、相変わらず安い商品の紹介をしていますが、もういい加減、安売りを奨励する様な報道はやめるべきではないのかと思います。消費者の立場は違うと言う方がいらっしゃるかもしれませんが、利益を削っての価格破壊は、給料の引き下げという形で、消費者にも返ってきます。今回のような事故を繰り返さないためにも、適正価格を考える時期に来ていると思っています。
                                       参議院議員・医師 桜井 充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 ゴールデンウィークの最終日の5月6日はフランスの大統領選とギリシャの総選挙が行われます。フランスの大統領選では現職であるサルコジ氏、ギリシャでの総選挙についてはギリシャの最大与党である前ギリシャ社会主義運動(PASOK)、ともに苦戦を強いられている状況です。
 実は、サルコジ氏と大統領の座を争っている社会党候補のオランド氏は、ドイツのメルケル首相が主導している現在のEU内における緊縮政策を強く批判しています。また、ギリシャの野党も同様です。つまり、仮に現職や現在の連立与党が敗北した場合、これまでの財政協定を覆す政策をとる可能性があり、ユーロ分裂の可能性も秘めているのではないかと考えています。(そうするべきと主張している専門家もいます)
  ところで、先日、スペインのGDPはマイナス成長、失業率は24.4%に達したとの報道がありました。これは財政削減を過度に優先した結果であり、同様の状況がEU諸国で発生し、最終的に国民の怒りを生んでいる源となっているのだと考えています。この状況を打開するためには、財政をあまりに過度に削る事だけを行うのではなく、経済をどう成長させることができるかについてもっとウエイトを置く必要があるのではないでしょうか。
とは言うものの、簡単に積極財政に討って出られるかというと、格付け機関により国債の格付けを下げられてしまうリスクを考えると簡単にはできないでしょう。(格付けに過度に依存していることも原因の一つです)
 とにもかくにも、世界の行く末を占うこの二つの選挙に大注目です。(小林太一)