桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「溝を埋めなければ」

2012年06月21日 (木) 19:26
 昨日の両院議員懇談会での一コマ。
 
 内閣の幹部の一人が、最前列に座って議論を聞いていた。ここまでは良いのだが、増税賛成派の意見には拍手し、反対派の意見の時には拍手せず、黙って聞いていた。
 
 与党にお願いしている内閣の幹部がこのような態度で、どうしてまとめることができるのだろうか?反対派の人たちにこそ配慮し、彼らの言っている事を理解し、その意見を取り入れようとしなければ、まとまるものもまとまらなくなってしまう。
 
 これは、内閣の幹部に限ったことではない。賛成派の人たちは、賛成派の人たちの意見には拍手し、反対派の人たちの意見には反発する。逆に、反対派の人たちは、反対派の意見には拍手し、賛成派の意見には野次を飛ばしている。これでは、互いに歩み寄ることはできないだろう。
 
 議員一人一人、政策的に意見が異なる事は当然である。全ての法律案に関して、全て意見が一致することの方が異様である。しかし、自分の考えとは違っていても、理解できる点はあるはずである。その事を理解し合わなければ、溝が埋まるはずはない。
 
 他党との協議では合意形成できるのだから、党内でも努力すればできるはずである。ねじれ国会で法案を成立させるためには、自分たちの主張を押し通すだけでは無理であり、相手の要求を受け入れなければならない。だから、修正協議がまとまるのである。
 
 党内の手続きも同じである。互いの意見を尊重し、一致団結して闘って行くのだという意思を共有できれば、折り合える点を探して、まとめることは可能なのだと思う。やっと政権交代可能な政党ができたのである。結党以来の危機を乗り越えるために、努力していきたいと思っている。
                  参議院議員・医師 桜井 充
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書の小林です。
 昨日、ボクシングの試合でWBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦が開催されました。井岡選手と八重樫選手の激しい打ち合いには大変痺れるものがあり、また、二人の素晴らしいスポーツマンシップには大変感動させられました。
 ところで話は大きく変わり、日本では議論と喧嘩をどうしても混同してしまう光景が様々なところで見られます。お互いの意見を戦わせることは優劣を競うだけでなく、両方の議論を踏まえながらよりよいものを作り出すことが本来の目的であるはずです。しかし、どうしても議論に勝った負けたという話に意識が行きがちで、その延長線上に憎しみをもたらしてしまうことが多々あります。これは「空気を読む」文化が原因なのか、はたまた教育において議論をすることをあまり学習してこなかったことが原因なのか。
 いずれにしても、ボクシングと喧嘩は違うものですし、議論と喧嘩もまた同じく違うものです。今回のボクシングの試合で見られたスポーツマンシップのように、議論のあとはお互いを称え合えるような世の中にはできないものでしょうか。まずは自分自身から意識して参りたいと思います。(小林太一)