桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「ご冥福をお祈りいたします」

2013年04月25日 (木) 15:57
 今野東元参議院議員が亡くなった。享年65歳、早すぎる死だった。ご冥福をお祈りいたします。
 
 昨年の衆議院選挙で落選してから、孫の面倒をみていて、周囲には体調が良いと語っていたそうだが、熱が出て病院を受診したところ入院となり、帰らぬ人となってしまった。
 
 病名は間質性肺炎、聞きなれない病名だが、肺胞区が壊れる普通の肺炎とは違って、とても厄介な病気である。肺は木をさかさまにしたような組織で、葉の部分が肺胞にあたり、この肺胞が呼吸をするたびに大きくなったり小さくなったりする。
 
 これだけでは体に酸素は取り入れられない。肺胞の周囲に毛細血管があって、肺胞にある酸素は血管内に取り込まれ、逆に血管内に増えた二酸化炭素は肺胞に移動する。このことを繰り返して、人は体に酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出しているのである。
 
 間質性肺炎という病気は、肺胞と血管の間が線維化し厚くなってしまうので、体の中に酸素が取り入れにくくなり、低酸素状態になるだけではなく、溜まっている二酸化炭素が排出できなくなるので、体は酸性になり、組織障害が生じるのである。現在、有効な治療法がない。
 
 衆議院選挙に落選し、政治家を引退する予定だったが、安倍政権に対して極めて批判的だった。特に右傾化に対しては警鐘を鳴らし続けていた。今も議員であったならば、委員会で舌鋒鋭く追及していただろうと思われる。
 
 確かに、自民党の憲法草案を見てみると、自衛隊を国防軍と名前を変えるだけではなく、公の秩序を維持するために国防軍が出動できるなど、戦前回帰かと思われる内容になっている。
 
 それだけではない。21条の表現の自由には、これまでになかった第二項をおき、「そこに公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い」という文言を置き、表現の自由を束縛した内容になっている。
 
 憲法は、国民が権力者を縛るための道具であるにもかかわらず、国民の自由を奪いかねないのである。今野さんだったら、国民の皆さんに分かりやすい例えで批判していただろう。彼の思いを受けて、安倍政権を追及していく事が最大の供養かと思っている。合掌
                  
                                      参議院議員・医師 桜井 充
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充事務所小林です。
 TPP交渉における日米両国が協議内容について自国内向け文書が公開されています。それぞれの文書を読み比べてみると、日本側の文書は米国の資料と比べると具体性に欠けており、小生の見る限りでは我が国は米国に相当譲歩しているのではないかと大いに心配しています。
 例えば、非関税障壁の項目を見てみると、我が国の資料では項目の羅列しかないのですが、米国通商代表部(USTR)の資料では「日本郵政が提供する国際急送便サービス」や「日本におけるM&A」、「ゼラチン/コラーゲン」←(BSE関係?)、その他の項目を合わせた9つの項目についてかなり具体的に述べられています。一方、農業についてはその文書には一切述べられていません。
 これについてもっと報道されていいように思うのですが・・(小林太一)