桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「官製相場」

2015年03月19日 (木) 15:16
 株高が演出されている。演出されていると書いたのは、今の株高を支えているのは、政府が国民の皆さんの年金資金を投じているからであり、本来のマーケットが決めることから大きく逸脱しているからである。
 
 一昨年は円安になり、外国人投資家から見て、日本の株価が割安に見えたので、外国人投資家が大きく買い越している。その額は17兆円である。何故、円安になると外国人投資家が日本の株式を購入するのだろうか。
 
 円安という事は、日本の貨幣価値が下がっていることである。同様に資産価値も下がっている。逆に言えば、ドルの価値が上がっているという事である。例えば、日経平均が1万円だったとしよう。2割円安になると、ドル側から見ると、これまで1万円だった価値は2割減の8千円になってしまう。だから割安感が生じ、株式を購入するのである。
 
 余談だが、日本側から見れば、これまで1万円で購入できた物が、2割円の価値が下がっているので、1万2千円出さなければ購入できなくなっている。だから、円安により、輸入物価が上昇しているのである。
 
 さて、その外国人投資家だが、昨年は1兆円の買い越しであり、一昨年ほどの買い越しではなくなっている。
 
 何故政府は必死に株価を上げようとしているのだろうか。それは、安倍政権の唯一の成果だからである。ある意味、株価連動内閣と言っても良いのかもしれない。
 
 4月には統一地方選挙が行われる。それまでは、間違いなく株価は維持されるだろう。しかし、その先は不透明である。GPIF-年金の運用している機構だが、この資金で買い支える限界が来た時に、外国人投資家がどう判断するかによって、株式市場の様子はがらり
と変わる可能性がある。
 
 いずれにせよ、アベノミクスの限界は見えてきた。以前からうまく行かないと主張してきたが、そのような方向になってきている。安倍総理に我が国のかじ取りを任せていたら大変な事になる。早期の退陣が実現できるように努めて行きたいと考えている。
 
                 参議院議員・医師 桜井 充
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 北陸新幹線が開通しました。東京~金沢間がこれまで約4時間掛かっていたものが2時間半ほどとなり、相当な観光客の増加が見込まれています。また、昨日には2月の訪日外国人旅行者数が過去最高の約138万人となったことが取り上げられていました。特に中国人観光客は購買力が大変高いことは注目すべき点です。
この背景には目下の円安や免税制度拡充の浸透という点もありますが、実は民主党政権における「新成長戦略」の成果であることはほとんど知られていません。例えば、麻生政権までは中国の観光客は団体観光旅行しか認められていませんでした。しかし、個人観光ビザを解禁し、ビザの発給申請を受け付ける在外公館についても北京、上海、広州の3か所から7か所の全公館へ拡大したこと、そしてオープンスカイ協定を結んだことで地方の空港にチャーター便がどんどん来るようになったことは極めて大きな成果です。
 大変もどかしいのですが、わが党もこういう実績をもっとしっかりPRしないと大変もったいないなあと思います。(小林太一)