桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「許せぬ暴挙」

2015年09月17日 (木) 18:48
 安保の委員会で強行採決が行われた。メディアは委員会で可決と報じているが、とても認められるものではない。何故ならば、採決が混乱の中で行われ、議事録がないからである。
 
 さて、この法案の最大の問題点は、憲法に違反しているという事である。私たち為政者は憲法を守る義務を負っている。何故ならば、第二次世界大戦のように、権力者が暴走し、私たち国民だけではなく、世界中の人たちが犠牲になったという教訓があり、為政者の暴走を止める必要があるからである。しかし驚くべきことに、安倍総理には憲法を守らなければならないという意思がまったく感じられない。本当に危険な総理である。
 
 安倍総理は、決めるときには決めなければならないとおっしゃっている。その点に関して、理解できないわけではない。しかし、一歩総理が判断を間違えれば、権力者の暴走になってしまう危険性がある。
 
 国民の皆さんが反対している場合でも、国民の皆さんの意思に反して、権力者がやむを得ず決断しなければならないことがある。それでは、権力者の暴走とやむを得ぬ決断とどこが違うのだろうか。
 
 私は、その違いは手続きにあるのだと思う。医療の世界では、インフォームドコンセントが当たり前になっている。日本語では、説明と同意と訳されているが、本当は説明と理解、そして同意である。
 
 民主主義の手続きも同様である。政策の説明を正しく行い、国民の皆さんに理解して頂き、そして同意するという当たり前のプロセスを踏んでいくかどうか、この点が重要なのである。
 
 今回の法案審議はどうだったろうか。政府の説明は全く不十分である。安倍総理の隣の家が火事になったとか、友達がいじめられた例を挙げていたが、この幼稚な説明もために、余計混乱が生じていた。
 
 このようなお粗末な説明なので、法案の内容は十分に理解されず、そのために多くの国民の皆さんは同意できないのである。それを無理やり成立させようとしている。これは権力者の暴走以外の何物でもない。戦いは終わったわけではない。今晩も夜を徹して戦っていきたいと思う。
 
 
                                         参議院議員・医師 桜井充
 
 
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 小生がこの業界に入ってから今日は最も国会がヒートアップしているように感じています。
 既に参議院で長時間議論したと言いますが、もともと11本の法案を束にしたものですから一本あたりで考えると長く審議されたとは到底言えませんし、未だに次から次へと法律の問題が浮き彫りになっています。しかも、今週行われた公聴会の指摘を全く参考にしないのであれば、なんのための公聴会なのでしょうか。
 最大のポイントは、政府は集団的自衛権により戦争リスクを軽減できると言っていますが、むしろ逆だということです。特に朝鮮半島が緊張状態に陥った際は、戦禍に巻き込まれるリスクは格段に上がるでしょう。中国が仮に日本の周辺で米軍に攻撃を仕掛けるとするならば、まずは我が国の米軍基地を叩いてくるはずで、その場合は個別自衛権で対処できます。我が国は集団的自衛権がなくとも日米安保条約で守ってもらう代わりに、100兆円を超える米国債の安定的な保有者となっています。そのことは最もアピールしていいのではないでしょうか。
 そもそも、今回の議論は改憲してから行うべきものでした。前回の選挙の争点は安保法制だったのでしょうか。そうではないはずです。世論は未だ十分に支持に至っていないのにも関わらず、なぜここまで急ぐのでしょうか。米国の負担削減のために要請を受け、総理が米国議会で約束してしまったからだけのことです。(小林太一)