桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「緊急事態宣言解除」

2020年05月29日 (金) 09:09
緊急事態宣言が解除された。当初の基準を満たしていない都道府県もあったが、おおむね妥当な判断だったと思う。
 
日本は先進国の中で、感染者数も死亡者数も少ない。これは評価されるべき点だと思うが、一方で自粛に応じている企業等に対する支援が遅い、あるいは不十分であるために、安倍政権のコロナ対策に対する評価は低い。
 
東日本大震災の時の経験から申し上げれば、現場で対策を作っている人たち、特に官僚がどの程度現状を認識しているかにかかっていると言っても過言ではない。我が国は良い意味でも悪い意味でも官僚国家である。
 
私の経験からだが、官僚の皆さんは平時には強い。積み重ねてきた経験があるし、極めて公平に判断しようとするし、バランス感覚もある。一方で、緊急時には弱い。経験に乏しいだけではなく、緊急時であっても、平時と同様に過去の例に則り、公平性を重んじるからである。
 
 東日本大震災の時には、復旧・復興のための施策の策定を、阪神淡路大震災を基準にして考えたいという声もあった。しかし、二つの震災は、津波による被害が発生したかどうかという点で大きく異なっている。被害の実態が違うのだから、過去の例に則って対応するばかりでは不十分なのである。
 
今回の新型コロナウィルスとの戦いも前例がないことである。そのために、各所で判断が遅れている。さらに言えば、より具体的な情報がないために、有効な対策が打てないのである。そこを指導するのが政治家の役割である。
 
政治家が責任を取ると言えば、彼らは政治家についてくる。東日本大震災の時に、国土交通大臣であった大畠章宏元衆議院議員が、「俺は現場が良く分からない。責任は俺が取るから後は現場に任せる」と言ったので、当時の徳山日出男地方整備局長が素晴らしい働きをしてくれた。そのおかげで、復旧・復興は非常に早く進んだ。
 
新型コロナウィルスとの戦いも、大震災からの復旧・復興と同じである。このような状況だからこそ、政治家と官僚の連携が必要であり、その役割を果たせるよう、務めていきたいと思う。
 
 
 
参議院議員・医師 桜井 充