桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「コロナ闘病記(5)」

2020年11月22日 (日) 12:44

1119日(木)メルマガ配信分

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・1118日(水)

 

 18日も、一日中寝ていました。ベッドから出るのはトイレに行くとき、食事をするときくらいで、あとはずっと寝ていました。おまけに下痢が始まって、夕方ぐらいからは水溶性の下痢になり、お腹が痛くて大変でした。これがコロナによるものなのか、ほかに原因があるのかは分かりませんが、体調がよくなっていないことは確かです。

 

 朝の体温は354分で、体温が低い割には、顔が火照るような感じがありました。熱が下がっているというのに体は熱っぽく、鼻の奥のあたりにコロナの感染層があって、そこから熱が出てきているかのような、実際には違うのでしょうが、そんな感覚があります。

 

 筋肉痛や関節痛といった体の痛みはなくなったのですが、いまはとにかく全身のだるさと、体が妙に熱っぽい感覚と、腹痛とに悩まされています。

 

 夜には、376分まで熱が上がりました。コロナの患者さんの中には、一度よくなっても、しばらくしてから再度症状が悪化する方もいるので、自分自身もそうでなければいいなと思っています。

 

 今、入院するべきかというと、呼吸苦もありませんし、熱が多少上がっただけなので、今の判断としては、入院しても仕方がないのかなという思いで、自宅療養に努めています。しかし、私は医師ですので、自分の体の様子からこうした判断ができますが、一般の方が自宅療養と言われたら、本当に不安で大変だろうと思います。

 

 ところで、神奈川県でコロナの最前線で働いている同級生の医師から、以下の趣旨の内容のメールを貰いました。

 

 彼のいる病院でもクラスターが発生したのですが、医療者の方々は相当に追い詰められているということでした。コロナ陽性になった医療者はいまだに後遺症に苛まれて復帰も難しく、自宅待機となった方々は自責の念で精神的に追い込まれ、残って対応した多くの職員が、発生源となった病棟職員に憤りを覚えているという、極めて厳しい状況にあるそうです。

 

 そんな中、行政は、多くの傷を負った医療者らに、コロナ対応のため、ただちに前線に復帰することを要請してきました。県を跨いでの移動の自粛など、医療者自身が感染予防に努めている中で、一方ではgo to キャンペーンが展開され、医療者は非常につらい思いをしています。

 

 これが、医療の現場の実態です。国は、もっと真摯に医療現場の声に耳を傾けるべきです、go to をやめれば旅行関連の方々が苦しくなるかもしれませんが、これは財政出動によって解決できる問題です。一方で、命の問題は、財政出動では解決できません。命をもっと大事にしてもらいたいと、患者になった一人として、そう思います。