桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「知的財産」

2023年03月09日 (木) 19:24
今国会に、「著作権法の一部を改正する法律案」が提出される。その法案の説明を文化庁から受けたときに、国内だけではなく、他国、特に中国における著作権侵害対策に関しての説明もして頂いた。
 
もう十年以上も前のことだが、中国を訪れた際に、一般的な中国の家庭の様子を見せて頂いたことがある。その当時の中国では、海賊版対策は全く行われておらず、家の中にはドラクエに似たゲームソフト等が溢れており、とても驚いたことを覚えている。
 
昨今、中国でも知的財産権侵害の民事訴訟が増加しており、2020年には45,000件に達したそうだ。2015年には10,000件を超える程度だったので、わずか6年で4倍程度増加していることになる。
 
中国人が経営していた日本人向けの違法漫画サイト「漫画BANK」も、行政摘発に成功し、現在は閉鎖されている。このように、徐々にではあるが、違法サイトが摘発されるようになってきている。
 
一方で課題も多い。漫画BANKの一件は、アメリカ政府の協力のもとで摘発に成功したのだが、それは、このサイトがアメリカのサーバーを使っており、日本政府の力では捜査できなかったからだった。
 
ネット環境は急激に拡大し、そして日々変化している。日本人はこの分野では遅れを取っており、犯罪を防ぐための人材の育成が急務である。問題解決のために努力していきたいと思う。