桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「先生の責務」

2023年05月26日 (金) 10:45
 今日の文教科学委員会で、とある議員から私に対して謝罪の言葉をかけられた。この議員は、一昨日の委員会で、学校での子どもたちの急変対応についての質疑をした。質問の趣旨は、「子どもたちが急変した際に、その措置を教員が行わなければならないのか」というものである。

 専門家でもない教員に急変対応を求めることは、現場の教員の過度な負担になるのではないかという問題意識からの質疑だろうが、その議員は、さらに、「教員が措置するのではなく、救急車を待ったほうがよいのではないか」とも指摘していた。

 私は医師の立場から、「その発言は100%おかしい」という不規則発言(委員長に指名されなければ発言できず、発言した場合には、これを一般的には「野次」と呼ぶ)を行った。今日の謝罪の言葉は、私のその野次を受けてのものであった。

 質疑の後、彼女なりに考えたそうである。委員会の休憩中に声をかけたら、「子どもたちの命を大切にします」と仰っていた。私は本当に救われた気分だったし、勇気を持って、この発言をした彼女に対して、敬意を表したいと思う。

 彼女は一貫して、学校の先生の処遇改善を求めている。そうしなければ、学校の先生のなり手がいないからである。この点に関しては彼女の言うとおりであり、処遇改善を行うことは、私たちの責務だと思っている。

 一方、学校の先生は勉強を教えることは勿論だが、学校に居る時の子供たちの健康や安全を守ることも責務だと思っている。先生の責任と仕事量は増えてきており、改めて、学校全体の改革の必要性を感じた。