桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「モンスターペアレント」

2023年06月02日 (金) 09:58
 とある中学校の剣道部に、剣道の達人がボランティアで指導に来ていた。弱小と言われる剣道部だったがその方のおかげで、県大会に出場することができるほ
どになった。しかし、親の中にはその方の指導方法に不満を感じている人がいて、結局、指導を辞めることになったそうだ。彼は辞める時に、部員全員に4万円もする胴をプレゼントしてくれたのだという。

 彼が辞めることになって、泣いていた生徒もいたそうだ。生徒のメールのやり取りの中には、「何故辞めることになったの」とか、「よー分からん」といったコメントがあった。親御さんがなにを感じ、彼の指導の取りやめを求めたのかは分からないが、少なくとも、実際に指導を受けていた子どもの気持ちと親の気持ちがかい離していることは明らかである。そして、子どもたちを指導していた彼自身、自分の人生を否定された感じがすると語っていたそうだ。

 これは一例に過ぎないが、このような親の意見が、学校の先生の負担に繋がっていることも事実である。学校の先生のなり手が少ないことが文教科学委員会で問題視されており、これを解決するには、処遇の改善も必要だが、子どもの親からの意見の対応にかかる負担を軽減していくことも考えなければ、変わっていかないのだろうと思う。