桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「変な話」

2024年04月11日 (木) 18:45
 蔵元で造ったお酒のうち、販売できずに余っている在庫の処理についての相談を受けた。今の制度では、余ったお酒を廃棄すると脱税と見なされてしまうため、廃棄ができないそうだ。そのため、やむを得ず保存されているお酒があり、焼酎などは何年古酒と言われる貴重なものになっている。

 それでは、その希少価値のある古酒を販売すればいいのではないかと思うところだが、そういうわけにもいかないという話なのである。

 なぜならば、流通可能な焼酎の色合いについて、酒税法とその下にある通達で定められているからである。焼酎はある程度透明でなければならず、長年寝かせた古酒は色が濃くなるのでその基準を満たせない。

 なぜこのような規制があるのかはよくわからないが、焼酎の色が濃くなるとウイスキーとの差別化ができなくなるため、ウィスキーを守るために、焼酎の色を規制したという話があるようだ。

 たとえば、泡盛の古酒の場合、古い物の方が値段が高くなる。焼酎も同じような扱いになれば、高値で売れることになる。現在、背景の事実確認も含めて財務省に問い合わせているが、古いルールは時代に応じて見直していく必要があるし、そうすることでお酒の新しい価値を生み出せれば、地域の活性化にも繋がる。折衝を進めていきたいと考えている。