桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「お酒を飲まずにいられない」

2010年08月12日 (木) 23:12
 私は、月に2回程度ですが、診療をまだ続けており、先日、アル
コール依存症の患者さんが来院された。酒を飲んで、暴れるという
患者さんで、母親から私に対して、患者さんに酒をやめるように強
く言って欲しいと言われた。

 アルコール依存症は、皆さんもご存知の通り、お酒に依存してし
まう病気である。しかし問題は、お酒を飲むというところではなく、
私は「お酒を飲まずにはいられなくなってしまう」という発想にあ
ると考えている。そのため、本人に強く言っても、少しの期間は効
果があるのかも知れないが、本質的には意味がないと考えている。

 ところで、私は、超党派の議員で作っている、アルコール問題を
考える議員連盟の会長を務めさせていただいている。その関係もあ
って、断酒会というアルコール依存症から立ち直るための会の皆様
ともお付き合いしている。

 この方々と話をしてみると、アルコール依存症の患者さんの特徴
が見えてきて、実は、「不登校」「ひきこもり」そして「拒食症」の患
者さんの考え方と、基本的には変わらないことが分かってきた。だ
からこそ、治療も酒を無理やりやめさせようとすることではなく、
酒を飲まずにいられないという考え方を変えることが重要であると
考えている。
 
 このことを母親に伝えたのだが、理解してもらえなかった。それ
は当然で、いきなり自分の考え方と違うことを言われて、すぐに理
解することは無理である。しかし、その場にいらした、母親の妹さ
んたちは、私の考え方に理解して下さったかは別にして、私に対し
ては患者さんが自分の気持ちを素直に話していることに驚いていた。

 今後、私の治療法でうまくいくのかは分からないが、医療の現場
で治療法を考えていきたいと考えている。そして、それと平行して、
アルコール問題を考える議員連盟でも、何故お酒を飲まずにはいら
れなくなるのか、その根本原因を考えていきたいと思っている。

 アルコール依存症のために、患者さん本人だけではなく、家族も
苦しんでおられる。医療の現場と国会とを結んで、このような問題
を解決していきたいと考えている。

                 参議院議員・医師 桜井 充
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 暑い毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 奄美大島ではハブが大発生しているようです。食物連鎖のトップ
であるハブの大発生が生態系に与える影響が心配です。
 ところで、食物連鎖といえば、先日、仙台市某所でゴキブリ(以
下、黒い彗星と記す)を後輩の高橋君が発見したのですが、その素
早い動きに彼はひどく怯えていたのでした。そこまで怯えさせるの
はなぜかと尋ねてみたところ、黒い彗星を初めて見たからというこ
とでした。宮城県では黒い彗星はなかなか見かけないということに
大変驚きました。小生が学生時代に過ごした八木山のアパートには
ヤツはいましたが…
 ちなみに、黒い彗星の天敵はアシダカグモです。家の中にいるク
モは神様だから殺してはいけないと聞いた記憶がありますが、昔の
人は偉大です。東京のアパートで、実際にこの盟友を発見しても殺
さず放置するようにしたところ、黒い彗星を駆逐することに成功し
ました。
 食物連鎖という自然の摂理の偉大さを有効活用すればまた様々な
可能性があるのかもしれませんね。(小林太一)