桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「縦割り打破への道」

2010年12月02日 (木) 18:43
 予算の査定が続いている。財源が十分ではないので、選択と集中
が必要である。それだけではなく、工夫することがもっと重要であ
る。

 各省庁の予算を縦割りで使ってしまえば、10億円は10億円の
意味しか持たない。しかし、10億円の厚生労働省予算を文部科学
省で使う事になれば、10億円は20億円の意味を持つことになる。
こんなことを書いても意味が良く分からないと思いますが…

 例えば、私学助成金の要件の一つとして、中小企業への就職率を
入れたらどうなるだろうか。中小企業の求人率は高いのだけれど、
なかなか人材が集まらない。その一つの原因は、大学の進路指導で
あると指摘する人たちがいる。

 それは、進路指導の先生が大企業への就職指導は熱心だが、中小
企業に対してはそれほどでもないので、そのために中小企業の求人
率が高くなっていると言うのである。一方、雇用のための予算だが、
必ずしも雇用につながっていない場合がある。

 以前、技術を習得すれば雇用につながると言う考え方から、資格
を取得することが奨励された。そして、そのための補助金が支給さ
れたのである。しかし雇用は期待したほど増えず、一方で通信教育
会社が利益をあげることになってしまった。

 そこで、この雇用対策予算を私学への助成金として使ってはどう
かと考えているのである。具体的には、雇用対策予算の一部を、中
小企業への就職率に応じて私学に給付するのである。こうすれば、
雇用対策費としての意味もあれば、実質的に私学助成金としての意
味もある。これが、10億円が20億円の意味を持つ予算という事
である。

 このことを行うためには大きな壁がある。一つは、縦割りを排除
しなければならないと言う事であり、もう一つは前例がないと言う
事である。しかし、国家財政が厳しいときに、自分の省庁の利益し
か考えないのであれば、国家公務員として働く資格はない。

 私が行わなければならないことは、これまでの慣習にとらわれる
ことなく、現実社会の中でベストの案を考え、実行することだと思
っている。どのような結末になるのかわからないが、省益しか考え
られない官僚と(全ての官僚がそうだとは言いませんが)戦ってい
きたいと考えている。 
                 参議院議員・医師 桜井 充
 
【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
  ウィキリークスによる情報流出で世界が揺れています。
日本においても様々な情報漏洩が相次いでいる中、東京株式市場で
も大きな問題となってるものがあります。実は公募売り出し等が発
表される直前に(一般的に公募売り出しの発表直後の株価は下がる
ことが多い)、インサイダー取引と思われる空売りによって異常な
株価下落が発生するケースが増えているのです。インサイダー取引
は株式市場においては最も禁じられている取引の一つです。官も民
も情報セキュリティについてもう一度しっかり議論する必要がある
のかもしれません。
 それにしても各国の首脳の人物像を批評したものも流出している
ようですが、やはり他人の悪口はあまり言うものではないな、と改
めて考えさせられるものでした。(小林太一)