桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「改革への道筋」

2010年12月09日 (木) 15:59
 例年この時期は、地元に戻って、支援者の皆さんと忘年会を行っ
ているのだが、今年は財務省内にいることがほとんどである。予算
の査定に加わると言うよりも、各方面から最終の陳情があるので、
その対応に追われている。

 民主党内にも政調が復活し、様々な議員連盟もある。各議員は、
興味のある分野について勉強し、重要であると考えるから予算確保
に走る。この人たちを「族議員」と呼んでいるようだが、専門家に
なって、そのことを実現しようとして何が問題なのだろうか。

 むしろ、専門家でもない人たちが、良く分からないのに予算の確
保に走る方が余程問題で、何故ならば、無駄な予算を計上すること
になってしまうからである。

 今回の予算は、目的を明確にして作ってきたつもりである。例え
ば、経済産業省の予算は、基本的には国家としての投資であり、何
年後かには、増収という形でリターンが得られるかどうかという点
から査定してきた。

 厚生労働省の予算は、それほどのリターンは得られないかもしれ
ないが、社会の安定や雇用の確保という観点から重要なものに関し
て、重点的に予算配分してきたつもりである。

 しかし、予算だけでは限界があることも確かである。例えば、研
究開発費だが、これは研究開発を行うシステムを見直さないと、効
率的に税金は使われないし、企業がそのシーズを利用し、収益を上
げるまでには結びつかない。

 この点を改善するには、大学改革は欠かせない。各大学の機能分
化を行い、研究予算の重点化が必要である。さらに、その中で生ま
れた成果を応用するためには、民間企業と一緒に研究する必要があ
るのだが、日本はこの取り組みが不十分であるように思える。

 このことを実現するための組織の一つがNEDOだと思うのだが、
事業仕分けで悪もの扱いされている。特に、民間から大量に人が来
ていることに問題があるように言われているが、私から言わせれば、
これでもまだまだ足りないと思っている。

 そして、次の段階として、この中から商品化できる技術があると
思えるものに関しては、民間が中心となって研究開発を行う事にな
る。このようなシステムをきちんと作り上げなければ、研究開発費
を活かしていく事はできない。

 私はシステム改革も同時に行うべきだと考えているのだが、来年
度の予算執行まではとても間に合いそうにない。そこで、このよう
な課題を各省庁に突きつけて、来年度予算編成作業以降、様々な改
革を進めていきたいと思っている。
                      参議院議員・医師 桜井 充

 【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 映画「宇宙戦艦大和」が話題になっています。さて、史実の戦艦
大和は世界最大の戦艦として知られており、日本の造船技術の粋を
集めて作られました。(実はホテルニューオータニの回転ラウンジ
にはこの砲台技術が使われている!)最後は沖縄での特攻作戦に投
入されましたが、この作戦会議の際に、“伊藤中将「成功の算なき
作戦に、七千の部下を犬死させる訳にはいかない」、某幹部「要す
るに一億特攻の魁となってもらいたいのだ」”という言葉に仕方な
く承諾したというやりとりがあったと言われています。この特攻作
戦と「空気を読む」という日本文化についての著書をいくつか読み
ましたが、小生も未だに「空気」が日本の成長を妨げていることが
あるように感じます。
 「進歩のない者は決して勝たない。負けて目覚めることが最上の
道だ。日本は進歩ということを軽んじすぎた。私的な潔癖や徳義に
こだわって、真の進歩を忘れていた。敗れて目覚める。それ以外に、
どうして日本は救われるか。」と、大和の乗組員の有名な言葉があ
りますが、経済不況などの影響で閉塞感があふれる今こそどうすれ
ばこの危機を脱却できるのか、あらゆる方面から研究して参ろうと
思います。(小林太一)