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桜井充メルマガ:「イタリアの衝撃」

2011年06月16日 (木) 15:52
  イタリアで原発に関する国民投票が行われた。投票率は54.79%で、原発凍結賛成が94.05%そして原発凍結反対は5.95%であった。この結果は、極めて重いと感じている。
私は、以前から大事なことに関しては国民投票を行うべきであると主張していた。それは、間接民主主義の限界を露呈していたからであり、それを補完する意味で、直接民主主義である国民投票を取り入れる必要があると考えていた。
  今回の震災で、原発事故が起こり、原発に対する安全神話は完全に崩壊した。しかし一方で、現在のエネルギー供給の30%程度は原発に依存しており、すぐに全ての原発を止めるわけにはいかないことは、多くの国民の皆さんが納得してくださっていることだと思っている。
問題は今後のエネルギー政策をどうするのかである。勿論国会で議論することは当然のことなのだが、私はイタリアと同様に国民投票にかけてみてはと考えている。何故ならば、このことを行う事により、国民の皆さんのエネルギー問題に関する意識が高まるからである。
国民投票を行おうというと、憲法の制約があってできないという方がいらっしゃる。確かに、憲法第41条に、国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関であると定めており、国民投票の結果は拘束力を持たないからである。しかし、拘束力を持たない諮問型の国民投票ならば行う事が出来る。
  これから、賛同してくださる国会議員を集めて、原発に関する国民投票を行えるようにしたいと考えている。私は閉塞感のある今の時代にこそ、国民の皆さんがどういう社会にしたいのかの意思表示を目的とする国民投票を行うべきだと思っている。

                                    参議院議員・医師 桜井充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 今週13日は待ちに待った「ゴルゴ13」の発売日で早速買って読んでしまいました!
ということはさておき、過去にゴルゴ13で掲載された「2万5千年の荒野」(1984年)というストーリーをご存じでしょうか。これは異常が発生した原発をデューク東郷が銃撃によりベント(?)させ、危機を克服したものです。終盤にある記者会見のシーンで、記者から糾弾される技術者が原発事故の問題について、「問題は機械ではなく人間である」と発言したところ、記者から「人間がやることだから必ずまた事故は起こるだろう!」と糾弾され、最後は「我々はどうすればいいのでしょうか」とつぶやくところで締めくくられ、大変印象深かった記憶があります。
ところで、原発の代替エネルギーを発展させていくとするならば、発電手段のみならず、リチウムやNaS等の蓄電池の性能向上も必須です。(小生が学生時代にリチウムを研究していたから書いたわけではありません、念のため・・)これらを実現するにはたくさんの優秀な研究者や技術者が必要です。
ところが、科学雑誌Natureによる世界の10500人の科学者への待遇満足度調査によると、日本の科学研究者の満足度が比較可能な16カ国で最低でした。以前、ノーベル賞を受賞された野依さんの講演の中で「科学の重要性の認識の欠如、金さえ出しておけば結果が出るだろうという風潮、優れた科学者や技術者に対する尊敬の念が少なく、社会に上手く利用してやろうという風潮等は嘆かわしい」というような主旨のご発言をされていました。これを見たとき、第二次世界大戦の敗因について、天皇陛下が「科学の力を軽視したこと」を挙げられていたことと重なり(『昭和天皇独白録』)、今も昔も変わっていないのかと愕然としました。
これからのエネルギーについてはもちろんのこと、科学技術の進歩についてもどこかの科学者に任せておけばいいというものでなく、国民全体で一度議論すべきときではないでしょうか。(小林太一)