桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「全体像が見えない」

2011年11月10日 (木) 19:22
 24年度予算や税制の要望のために、各省庁の担当者が来室される。それを受けているので、とにかく忙しい。その中で感じることは、全体像が見えないという事である。
 例えば、先日、厚生労働省が創薬(新しい薬を開発すること)のために予算をつけたいと来室された。この点は評価できるのだが、開発を後押ししても、新薬の診療報酬が少なかったり、2年ごとの改定で薬価を引き下げたり、結局、開発投資に見合うシステムになっていないのである。
 医療費削減のために、ジェネリック(後発薬)をもっと使うようにというという指示も厚生労働省から出ており、これも創薬の妨げになっている。このように、開発から販売まで一貫して政策を作るべきだが、残念ながらそうなっていないために、ある部分だけ予算措置しても効果は限定的になってしまう。
 創薬の促進は、我が国の産業界にとって極めて重要な問題である。そのためには、大学の研究システムをどうするのか、民間との共同研究の在り方を改めて検討する必要がある。それだけではない。世界と比較して、企業の数が多く、同じ研究を各社が行っており、これを統合していく事も重要である。
 PMDAの承認はだいぶ早くなってきたが、これを含め、治験をもっと早く行う事が出来るようにする必要がある。さらに、薬価である。特許期間中は薬価を変えずに、早期に研究開発投資を回収できるようにするべきである。特許が切れた薬剤の薬価は、ジェネリックまで引き下げれば、結果的に医療費の削減につながってくる。
 このように、ある方向性を決めたのならば、全体像を示し、その中で、今回はこの点の改革を行いたいというのであれば納得できるのだが、省庁の中も縦割りになっているために、ある一部分の改革案だけ持ってくるのである。
 大きな方向性は、政治主導で行うべきである。これを実現するためには、政治家はもっと勉強しなければならない。そのために、政策秘書をはじめとするスタッフがいるのである。官僚を使いきれる政治家を育てていく事が、この国の再生に最も必要なことなのかもしれない。

                  参議院議員・医師 桜井 充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 これまで使用していた携帯電話が壊れてしまいました。耐水性に優れたものを購入したのですが、充電器の接続部分から水が入ったようです。大変細い耐水用のゴムが外れてしまっていたらしく、「気付かない人も多くいるはずのでは…」と思いつつも泣く泣くスマートフォンに買い替えました。ところが、小生の指が太いためか、なかなかうまく画面をタッチできず悪戦苦闘しています…。
 ところで、スマートフォンを購入した際に様々なアプリケーションソフト(アプリ)がついて参りました。調べてみたところ、一定金額を負担すれば誰しもが自ら開発したアプリを世界へ販売できるようです。小
生も通勤の移動時間を使って勉強し始めてみたのですが、なかなか難しくこれまた悪戦苦闘しています。
 一方、気になるのがセキュリティです。衆・参議院が不正アクセスを受けましたが、スマートフォンの場合も不正アクセスやウイルスに警戒する必要があります。携帯電話というより、小さなパソコンというイメージで利用したほうがよさそうです。皆様もどうぞお気を付け下さいます。(小林太一)