桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「大学改革」

2012年01月26日 (木) 22:27

 東京大学の懇談会が学部の春入学廃止と秋入学への全面移行を打ち出した。国際化の流れとしては評価できるが、大学本来の役割を検討する方がもっと重要ではないかと考えている。
 国立大学は、予算確保のためにミニ東大を目指してきたが、これが根本的な誤りだと考えている。何故ならば、大学は人材育成が重要な役割であり、国際的に活躍する人もいれば、国内や地域で活動する人もいるのだから、国立大学全てが画一的になる必要はないからである。
 今国が行うべき事は、各々の国立大学の役割分担を明確にすることである。大学にとっては、大きな方向転換を求められる場合もあり、そう簡単に飲めない事は分かっているが、我が国の実情を考えれば、誰かが悪ものになってもやり遂げなければならない課題である。
 例えば、東京大学は国際的に活躍する人を育てる、さらに研究も国際競争を行っていく大学であるとすれば、ある大学は地方で活躍する人を育てていくというように、役割を明確化するべきである。
 このように書くと、地方で活躍する人を育てる大学が格下になるのではないのかという趣旨の事をおっしゃる人がいるが、地方分権を目指しているのであり、地方で活躍する人を育てることは非常に重要である。
 地域の再生を行うべきであるという議論になると、そのような人材がなかなかいないという声を良く耳にする。国際的に活躍する人材も十分ではない事は分かっているが、地方の人材不足はそれ以上に深刻かもしれない。
 いずれにせよ、行政改革の中で集中と選択ということ叫ばれているが、これは大学にも当てはまることである。人材育成というこの国の根幹の政策を抜本的に見直す時期に来ている事は間違いない。これからも大学改革に力を注いで行きたいと考えている。
                  参議院議員・医師 桜井 充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 ここもと大きく売られていたユーロが反発して参りました。ユーロ/円については1月16日に96円台に突入したものの、現在は102円近くになっております。この急激な動きはどういうことでしょうか。
 最近の投機筋のポジションはユーロショート(ユーロを売り建てている。つまりユーロが下がるほど利益が出る)が過去最大規模にまで膨らんでいました。これに対するショートカバー(買い戻し)が入っているため、急激にユーロが上昇しているのではないかと個人的に推測しています。
 ところで、EU諸国の国債入札が好調です。債券の入札が好調ということは、人気があるために利回りが低く設定されるということで、債券の評価が高いということです。結果的に金融機関の債券の含み損は減っているでしょうから、これは良い傾向ではないかと思います。とにもかくにも、本年はドイツの行動が世界経済のキーとなることは間違いないと見ています。(小林太一)