桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「やるせない気分」

2012年08月09日 (木) 17:28

 党首会談が行われ、「近いうちに信を問う」という事で決着した。近いうちにというのはいつなのか分からないが、とにかくこの文言で折り合った。

 3党合意の中には、解散を前提にという事は入っていなかったはずである。今回採決を行う事に対して、解散を前提にすることには、やはり無理があるように思われる。現場では、採決の時期を巡って対立が続いたが、これが与野党の攻防と言われることには、かなりの抵抗がある。

 委員会の場において、与野党の攻防と呼ばれるべき事は、質疑の内容であって、単純な委員会の日程協議ではないはずである。中央公聴会が行われるまでは、与野党ともに納得いく形で委員会が運営された。しかし最終的には、少数会派が納得しない中で採決が行われることになったことは、与党筆頭の私の責任でもある。少数会派の議員の皆さんには、本当に申し訳ないと思っている。

 80時間を超える質疑が行われたが、ある意味、消化試合でしかなかったように感じているのは私だけだろうか。法案に問題があれば、その点を修正するのが私たちの使命だが、3党合意を絶対に変えられないという前提で議論を行うのであれば、議論を行う価値はほとんどないのだと思う。

 明日、この法案が成立するのだろう。民主党は分裂し、大きな犠牲を払ってまで、この法案成立に賭けた総理の思いは分からないではない。しかし、分裂せざるを得なかったのは、法案の内容もさることながら、感情的なしこりの方が大きかったからだということを、総理はどう思われているのだろうか。

 この点を何とか改善しようと努めてきたのが輿石幹事長である。輿石幹事長の思いを幹部が共有していれば、このような事態は避けられたと思っている。不満分子を放出すれば、支持率が上がると考えていた議員もいたようだが、現実はまったく違っていた。

 何ともやるせない気分の中で、法案が成立していく。政権交代した時の民主党の姿は色あせてきている。もう一度原点に戻って、民主党の議員の思いを一つにして、党の再生を行っていきたいと思っている。
 
                  参議院議員・医師 桜井 充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 明日にも消費税法案等の採決が行われます。
 社会保障を議論する中で特に考えさせられたのは世代別の所得格差です。例えば、世帯主が六十歳以上では、平均貯蓄が二千万円以上(中央値で千五百万)、負債はあまり無いのに対し、三十代では平均貯蓄が六百万円弱で負債は八百四十万円にのぼっています。「今の時代は若者に甘すぎる」「子供手当がバラマキであれば年金もバラマキだ」等、各世代から様々な声を頂きましたが、どの世代も時期に応じて安心して生きていけるような制度にしなければなりません。
 さて、一人一人が健康であることは社会保障費の削減に有効です。つまり、健康寿命をいかに延ばしていくかが課題です。(男性約70歳、女性約73歳)自分自身も健康に気を遣わなければ…(小林太一)