桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「ひどい仕打ち」

2012年11月22日 (木) 16:18

   新事業仕分けに出席した。私は厚生労働省の代表なので、仕分けられる側であり、悪者的立場である。冒頭この点について意見を述べ、今回はそのようにならないようにしたいということであったが、本質的議論には程遠く、正直言って、意味があるとは思えなかった。
   特に、研究開発に関しては本当にひどかった。研究開発の現場のことなど全くわからない人たちに、細かいことだけ突っ込まれたからだ。この点に関して、十分に答えられなかった、厚生労働省の事務方にも問題はあったが・・・
医療の分野では、優秀な研究者は海外に渡っている。これは頭脳の流失であって、日本にとっては大きな損失である。この流れを変えなければ、日本の将来は無いと言っても過言ではない。このことを止めるべく予算要求しているのだが、このような本質的な議論は置き去りにされ、細かい予算の使い道だけを問いただされた。
   以前の仕分けで、宇宙飛行船はやぶさの予算や、スーパーコンピューターの予算が削減されたが、このような研究費を削減することには問題があったことが、後の結果ではっきりしたはずである。それにもかかわらず、また研究費がヤリ玉にあがる。
   研究開発は不確実である。しかし、これは未来への投資でもある。投資を行わなければリターンを得られるはずもなく、先細りになっていくことは誰でも分かることである。財政難であり、財務相は不確実な投資を嫌うことも理解はするが、今のやり方では日本の未来は無いと思う。
    鳩山元総理が、次回の衆議院選挙に出馬しないことを表明された。様々なことはあったが、民主党を立ち上げた、最大の功労者であることは間違いがない。その方に対する仕打ちを見て、憤りを感じるのは私だけだろうか。情のない政治に対して、国民の皆さんはどう感じるのだろうか。

                                                             参議院議員・医師 桜井 充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 今、宮城県におります。やはり寒いです。そして忙し過ぎます・・
 ところで、インフレターゲットや日銀の外債購入等、金融政策が大きな話題になっています。一般的にインフレターゲットは物価上昇率の高い国において過度な物価上昇を抑えることを目的としています。デフレ下でそれを導入した先進国は小生の知る中ではありません。そもそも、我が国のデフレの原因は過度な価格競争、少子化、その他構造的なことであり、インフレターゲットは解決策にはならず、むしろリスクが高いのではと個人的に考えています。
   また、日銀の外債購入についても、スイスの中央銀行が行った数値目標を定めた無制限の為替介入をG20の一員である日本が行うと国際的に大きな批判を浴びると思います。(小林太一)