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桜井充メルマガ:「どれだけ効果があるのだろうか」

2013年01月24日 (木) 18:10
 政府と日銀で「共同声明」を発表した。デフレからの脱却に向けて、互いに協力していくことには異論はない。しかし、効果が限定的なので、本当にデフレから脱却できるとは思えない。
 
 日銀は今でも国債を購入している。日銀が市中銀行から国債を買い入れると、銀行の資産は国債からキャッシュに変わる。このキャッシュを企業や個人に融資を行えば、初めて市場にお金が流れていくのだが、銀行はこのキャッシュで国債を購入している。この方法では、お金は市場には回って行かない。
 
 また、日銀は国債以外の商品、ETFやJ-REIT等も購入している。これらの商品を日銀が大量に購入すると、市場の価格形成に影響を与えることになるので、自ずと限界がある。そこで、日銀は新たな手段として、銀行の貸出にバックファイナンス(貸出に対する保証)をつけて、銀行の融資を促そうとしているのである。このことは、現在も行われているが、今後どの程度の規模まで拡大することができ、金融緩和にどれだけの効果があるのか未知数である。
 
 私は市場にお金が回らない原因は3つあると考えている。個人は約1500兆円の金融資産を持っているが、将来の不安があるから使えない。企業は約300兆円の内部留保を抱えているが、投資先が不透明なので、投資を控えている。さらに、不良債権と認定される基準が厳しいために、銀行は少しでもリスクがある企業に対する融資を控えているのである。
 
 つまり、日銀の金融緩和が十分ではないから、市場にお金が回らないのではなく、他の原因で市場にお金が回らないのである。診断が違っていれば、治療法も間違うことになり、効果は不十分で、副作用だけが強く出ることになる。総理には、デフレの原因を再考していただきたいと考えているのは、私だけだろうか。
 
                                     参議院議員・医師 桜井充
 
※ETF・・証券取引所に上場している投資信託。代表的なものとして日経平均株価や東証株価指数に連動するものがある。
  J-REIT・・・証券取引所に上場している不動産等を証券化した商品。
 
  【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 日銀金融政策決定会合でインフレターゲットの導入が決まりました。
ところで、安倍総理の金融政策のブレインである浜田教授へのあるインタビュー記事が気になっています。簡単にまとめると「物価が上がっても国民の賃金はすぐに上がらない」、「名目賃金はむしろ上がらない方がよい。名目賃金が上がると企業収益が増えず、雇用が増えなくなるから。」という点です。
 物価が上昇しても賃金が増えなければ、実際の暮らしはむしろ苦しくなります。収入が上がらなければ消費は増えず、さらなる少子化にもつながります。2000年代前半の好景気の際は企業の利益が上がったのにも関わらず、雇用者への給与総額は増えませんでした。
 賃金を増やせるようにするための政策、安心して貯蓄を消費に回せるような政策が必要であると思います。(小林太一)