桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「かなり危ない」

2015年02月12日 (木) 17:21
  安倍政権の集団的自衛権の考え方が良く分からないので、質問主意書を使って政府の考え方を正している。質問主意書は文書で質問を行い、答弁も文書で行われ、総理大臣名で返ってくる。国会の答弁と違い、文書になっているので、ごまかしはきかない。
 
 以下、質問と答弁の原文である。
 
 「集団的自衛権に係る政府の答弁に関する質問主意書」
 
 私が昨年提出した「集団的自衛権に関する質問主意書」(第百八十七回国会質問第三五号)に対する答弁書(内閣参質一八七第三五号)において、政府は集団的自衛権の定義を「一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利をいうと解されている」と答弁(以下「本件答弁」という。)している。本件答弁についてさらに詳細を知りたいため、以下質問する。
 
 一 本件答弁における「自国と密接な関係」の定義を明らかにされたい。
 
 二 本件答弁における「武力攻撃」の定義を明らかにされたい。
 
 三 前記二に関し、「武力攻撃」の主体には、いわゆるイスラム国のような日本政府が国家として承認していない相手も該当するのか、政府の見解を明らかにされたい。
  
右質問する。
 
 
 「参議院議員櫻井充君提出集団的自衛権に係る政府の答弁に関する質問に対する答弁書」
 
 一について
 御指摘の「自国と密接な関係にある外国」とは、一般に、外部からの武力攻撃に対し共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、共同して対処しようとする意思を表明する国を指すものと考えられる。
 
 二及び三について
 国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第五十一条にいう「武力攻撃」とは、一般に、一国に対する組織的計画的な武力の行使をいうと考えられるところ、一般に、国家以外の主体による攻撃であってもこれに該当する場合があると考えている。
 
 さて、この答弁から分かるように、集団的自衛権の発動は、「日本政府が国家として認めていない主体の攻撃の場合でも該当する場合がある」ということなので、武力行使全般に適応される可能性があるという事になる。要するに、「何でもあり」なのである。
 
 私は基本的には、集団的自衛権の行使に関しては慎重であるべきだと考えている。しかし、どうしても必要であるということであれば、極力限定的にするべきだと思うのだが、この答弁書を読む限り、安倍総理の考える集団的自衛権の発動要件はかなり広くなる可能性があり、非常に危険であると思われる。
 
 この集団的自衛権に関しては、この国会で集中的に議論が行われることになる。日本は戦争しない国であるべきだと考えている。この基本姿勢に立って、安倍政権を追及していきたいと考えている。
                 参議院議員・医師 桜井 充
 
【秘書のつぶやき】
 櫻井充秘書小林です。
 東京都渋谷区が同姓カップルを「結婚に相当する関係」と認めた証明書を発行する条例案を議論する方向にあるとの報道がありました。
 一昨年、アメリカに赴く前にアメリカ政府関係者の方々とお話しをしていて気になったことの一つに、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の権利に関する政策について、オバマ政権が大変積極的に取り組んでいることがありました。同性婚への考え方について、アメリカの民主党と共和党との政策の大きな対立軸の一つとなっていることは知っていましたが、オバマ大統領は就任演説でこの問題について米国史上初めて触れたことについては特に驚きました。
 未だ我が国でも理解が十分されているとはいえない状況ですが、LGBTの人達が人口に占める割合は3~10%弱程度とも言われています。この分野はまだまだ勉強不足なのですが、今後、益々多様性が求められている中、人権問題の一つとして研究して参りたいと思います。(小林太一)