桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「​子供の権利」

2019年06月07日 (金) 14:39
◇子供の権利
 
今国会の法務委員会はとても忙しく、火曜日と木曜日の委員会の定例日には、ほぼ毎回委員会が開催された。国民民主党所属の法務委員会のメンバーは私一人なので、理事会に出席するだけではなく、毎回質問にも立たせていただいた。
 
毎回の質問は大変なこともあったが、様々なことを勉強させて頂いた。その中でも、親権と子供の権利、このことについては本当に考えさせられた。
 
子どもの権利条約に規定されているように、子供には「意見表明権や思想の自由など幅広い権利」が認められている。これだけ読むと抽象的な表現で分かりにくい。
 
法務委員会で議論の対象になった「子供」は、ひとり親であったり、養親によって育てられていたり、実の両親がいる場合とは異なる環境にある子供たちである。この子供たちの権利はより具体的に示されるべきだと思うが、現在のところ、主な権利は、例えばひとり親家庭の子供の場合、養育費を受け取る権利と、同居していない親との面会交流となっている。
 
その権利が守られているのかと言えば、必ずしもそうではない。養育費がきちんと支払われていない場合もあり、同居している親と別居している親との関係が悪ければ、子供が別居している親と会いたいと思っても会うことができないからである。
 
今回議論していて大きな問題だと感じたことは、主語が「子供」ではなく、「親」になっていることである。今日も養育費の支払いを義務化したらどうかという提案を行ったところ、そのために離婚が遅れたら困るという趣旨の答弁があった。
 
このように、主語は「子供」ではなく、「親」なのである。子供は親を選べないが、どの子供でも幸せになる権利はある。どんな立場にある子供たちでも、幸せな生活を送れる社会を実現できるように努力していきたいと考えている。
 
 
 
参議院議員・医師 桜井 充

 
 
【秘書のつぶやき】
桜井充秘書庄子です。ベネズエラ出身の図書館学者、フェルナンド・バエス氏の著書『書物と破壊の世界史』を読みました。古くは古代メソポタミアのシュメールに始まり、現代に至るまで世界中で繰り返されてきた「書物の破壊」が緻密に記されています。書物は自然災害等でも失われますが、著者によると、全体の6割が故意に破壊されており、またその破壊は無知からではなく、異なる意見の抹殺や事実の隠蔽といった明確な目的を持って行われてきたといいます。
書物の破壊は私たちにとっても人ごとではありません。先日、現在の官邸において、総理と官庁幹部との面談記録が一切作成されていないとの報道がありました。どのような目的があるのかは定かではありませんが、このような記録の放棄が続けば、国家としての自壊を招いてしまうのではないかと思います。(庄子真央)