桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「 今度は麻薬」

2020年02月13日 (木) 20:01
 医療においては、痛みを抑えるなどの目的で医療用麻薬が用いられている。この医療用麻薬の使用頻度は、私が医師になった当時と比較して大幅に増えている。当時は、患者さんが麻薬中毒になっては困るという考えから、なるべく使用せず、本当の末期にしか使用しなかった。しかし、今では外来でも処方されるようになり、疼痛の対策として頻繁に用いられるようになっている。
 
 このように、医療用麻薬を巡る状況は大きく変わっているのだが、法律による規制は極めて前近代的である。医療用麻薬の取扱いを定めた麻薬及び向精神薬取締法は昭和28年に公布された法律なのだが、その後の運用の見直しが行われていないために、実情にそぐわないところが出てきていて、現場は苦労しているのである。
 
例えば、医療用麻薬を取り扱うための免許は都道府県知事によって交付されることになっているために、同一事業者であっても、免許を受けた都道府県の外には医療用麻薬を持ち出せない。このため、医療用麻薬を使用期限切れで廃棄処分せざるを得ないこともある。
 
この点に関して、厚生労働省と話し合いを行った。最初の話し合いでは、厚労省側として現状を変えるつもりはないという意見だったが、現場が本当に困っているのだと伝えて一度持ち帰ってもらい、次の話し合いには権限のある課長に来てもらった。そこからは話が早く、関係団体から意見を聞いた上で、必要な措置を講じてもらえることになった。
 
さて、新型コロナウィルスだが、クルーズ船内の感染が拡大している。結局密閉状態では、個室に待機していても感染は拡大するのだと思う。これは不幸な出来事で、船内の人たちを下船させて、どこかで経過観察しないと、感染はさらに拡大するような気がする。
 
高齢者や持病のある人は病院に転院させ、検査で陰性の人たちはどこかの施設を借り切って様子を見るようにするべきではないか。この問題に関しても、今後厚生労働省と話し合いを行いたいと思う。
 
 
参議院議員・医師 桜井 充