桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「おさらい」

2020年07月31日 (金) 09:34
 新型コロナウィルスの感染者が増え続けている。Go To トラベルも始まり、人の移動が増えており、感染者と接触する可能性が増えているのだから、これは当然のことである。このメルマガでは、これまでにもコロナウィルス関連の情報を発信してきたが、ここで、今一度おさらいしておこうと思う。
 
 基本的なことだが、新型コロナウィルスへの感染は、ウィルスが粘膜から侵入することで起こる。粘膜の例を挙げると、口腔粘膜、鼻腔粘膜、眼瞼結膜等で、体の部位で言うと、それぞれ口、鼻、目にあたる。ウィルスは、ここから身体の中に侵入していく。
 
 つまり、手や髪の毛にウィルスが付着したとしても、それだけで感染するわけではない。体の表面にウィルスが付着している状態とは、言ってみれば、ウィルスに汚染されている状態である。汚染された手で食べ物に掴んで口に入れたり、目を擦ったりすることで、ウィルスが粘膜に運ばれ、体の中に入っていくのである。
 
 だからこそ、感染症対策では小まめな手洗いやアルコール消毒が奨励されている。仮にウィルスが手に付着しても、洗い流してしまえば感染を防げるのである。
 
 新型コロナウィルスとインフルエンザウィルスの大きな違いの一つは、生命体の外で生きていられる時間が違うということである。例えば、ドアノブにインフルエンザウィルスが付着した場合、ウィルスが生き続けるのは長くて8時間程度だが、コロナウィルスは3日間程度だと考えられている。つまり、コロナウィルスが付着した物は、それだけ長い時間、感染源になりうるということである。
 
 このような視点で見てみると、新型コロナウィルスに関しては人から人への感染に加え、物から人への感染にも十分注意しなければならないことが分かっていただけると思う。
 
 私たちの身の回りには、ウィルスに汚染されている可能性のある物や場所が沢山ある。飲食店のメニューや、調味料の瓶、美容室や病院の待合室にある雑誌、エレベーターのボタンや銀行の自動預け払い機のパネル等。いまは、各店舗の努力で、小まめに消毒が施されていることも多いものの、誰か他の人が触る可能性のある物や場所は、全てが感染源になるという意識は持っておいたほうがよいだろう。
 
 こうした物から人への感染を防ぐためにも、神経質過ぎるかもしれないが、何かを触った後には、とにかく手洗いをすることが大切だ。食事の前はもちろん、目を擦りたくなったとき、化粧をする時など、粘膜に触れる可能性がある場合には必ず手洗いを行うべきである。
 
 皆さんの努力によって、三密が回避され、飛沫感染への対策はきちんと取られているにも関わらず、感染者数は増え続けている。この要因は、接触感染への対策が十分に立てられていないためであると考えている。自分の身を守るために、新型コロナウィルスは接触感染するのだという意識を持っていただき、小まめに手洗いを行っていただければと思う。
 
 
 
参議院議員・医師 桜井 充