桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「説得力を感じない」

2021年06月25日 (金) 14:24
緊急事態宣言は解除されたが、東京の飲食店は2人以下、90分以内に限ってお酒を提供できるようになった。私は、この指示には全く説得力がないと感じている。
 
なぜならば、どうして2人以下なのか、90分という制限なのかについて科学的根拠が説明されていないからである。また、そもそも、飲酒と感染拡大の関連についても、政府は十分な説明ができていない。
 
アルコールの摂取は確かに注意力を低下させ、感染予防のための行動がおろそかになってしまうという面もある。一方で、飲酒が直接の感染の原因なのか、それとも元々感染対策が不十分だったのかといった分析も行うべきだと思うが、それは十分には行われていないのである。
 
例えば、飛沫感染のことを考えるのであれば、一緒に食事をしたメンバーの中に感染者がいなければ、お酒を飲んでいてもいなくても、その場での感染というのは起こらないはずである。それにも関わらず感染してしまった場合には、無症状感染者がいたのか、トイレなどでの接触感染だったのか、あるいは従業員の方が感染していたのかといった原因の分析が必須であり、対策もそれに応じて行っていくべきである。
 
根拠に乏しく、その場の思いつきではないかと思えてしまうような指示ばかりを出していては、国民の皆さんの信用は得られない。本来皆さんに守っていただかなければならないことに関しても、守る気がなくなってしまうだろう。
 
感染を抑えるためにも、科学的根拠に基づいた対策をきちんと行っていくことが必要だと改めて感じている。