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桜井充メルマガ「自覚症状に騙されないように」

2021年08月20日 (金) 14:28
 私が医者になった当時、先輩の医師から「患者さんの自覚症状に騙されないように」という事を何回も言われました。自覚症状が強いから重症なのかというと、そうでない場合もありますし、自覚症状がないので軽症なのかというとそうでもないこともあります。
 
 今回の新型コロナの感染拡大の中で、私の知り合いの一人は、とある事情があって、自分で自宅療養を選択しました。最初は熱があり咳も出ていましたが、解熱剤や咳止めを服用したので、自覚症状はほとんどなくなりました。
 
 私はその人が心配だったので、ほぼ毎日電話していたのですが、息切れが無いのに、血中の酸素濃度が90まで下がっていました。そこで、救急車を呼んで、病院に搬送してもらったのですが、肺は肺炎で真っ白になっていました。
 
 何故自覚症状がないのにこのようなことになっていたのか。答えは簡単です。その方は、家の中でほとんど動いていなかったからです。家の中で動くとすれば、トイレに行く、洗面所に行く、台所に行く、この程度です。この程度の運動量では、相当重症にならない限り、自覚症状は出ません。
 
 彼女がラッキーだったのは、家にパルスオキシメーターがあったことです。彼女の旦那さんは心不全を患っていたので、家にあったのだと思います。その意味では、彼女は旦那さんに助けられたのだと思います。
 
 皆さんも自覚症状がないからと言って安心せずに、きちんとしたデータを見ながら自己管理をして頂きたいと思います。体温計で熱を測るように、今回はパルスオキシメーターで酸素飽和度を測定し、自分の呼吸状態を知ることが大切です。在宅の患者さんが増えています。不幸な出来事が起こらないように、客観的データに基づいて治療を受けて頂きたいと思います。