桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「通級」

2023年03月30日 (木) 20:05
通級という言葉をご存知でしょうか。小・中・高校に通う生徒のうち、言語障害や自閉症、学習障害といった障害を持つお子さんが、通常の授業を受けながらそれに加えて障害に応じた指導を受けるという指導形態のことをこう言います。

 通級による指導を受けている児童数は、近年ものすごい勢いで増えていて、令和3年には183,880人になっています。因みに、平成5年には12,259人でした。

 その内訳ですが、多動症が38,656人、学習障害が34,135人、自閉症が36,760人などとなっています。私が子供の頃の記憶を辿ると、確かに教室内に落ち着きのない子もいましたし、勉強の嫌いな子もいましたが、このような障害に分類される子がそれほどいたとは思えません。

 このような子供たちが増えた理由はよく分かっていません。社会で問題になり、親御さんの障害に対する理解も進んだことで、以前と比べて診断が付くようになったからかもしれません。私も、心療内科医として、このようなお子さんの診療にもあたっています。私が治療するうえでは、この子たちの能力をいかに発揮させるか、そのことを一番に考えています。

 しかし、学校では「普通」を求めることが多く、そのために、本人も家族も、学校の先生も苦労しています。個性を大事にするというのであれば、今の教科書を理解させる教育ではなく、その子供たちの持っている能力を引き出すような教育を行うべきだと考えています。この点について、文科委員会で質問する予定にしています。日程等が決まりましたらご案内しますので、ぜひご視聴いただければと思います。